「きこえの講演会」について

11月26日小田原三の丸小ホールにて「きこえの講演会」に行ってきました。

講師はNHK手話ニュースキャスターと大宮ろう学園幼稚部の教諭でもある戸田康之先生です。

手話を始めてまだまだ未熟な私ですが、サークルの方の誘いもあってこの度、講演会に参加しました。

会場には、ろう者、中途失聴者、難聴者、健聴者の方たちが大勢参加されておりました。

会場には手話通訳者そして要約筆記者がスタンバイしており、ろう者や難聴者のために聞こえの保障をし社会に参加できるようにサポートされています。

私は健聴者の立場で、且つ要約筆記養成講座受講中の身でもあり、良い勉強のためになると思い参加したわけです。

今回の講演会で戸田先生の話の中で、「デフ・フット」という言葉がありました。内容的にはろう者はろう者のありのままで生きていけばいいのだと提唱されていました。その理由は健聴者に近づくのではなく、ろう文化(言語等も)でいいのではないかというものです。

私は手話サークルでろう者の方といろいろと話を聞いたことがあり、その中でろう者の方が言っていたのは、小学校で口話法で勉強が進んでいたようです、ろう者の方は聞こえないので話す言葉が思うように話せません(声が出しにくい)。

しかし、学校の先生からは口話を使いないさと教えられる、手話を使うと叱られたと聞きました。

これは、健聴者の先生がろう者の生徒に教えるのですから、ろう者の立場が今一つ理解できておらず、また、教育方針そのものが変わらないので仕方ないのか(健聴者に近づくためにやっているように感じた)、私にはとても疑問に思いました。戸田先生はそのような方法ではなく、幼稚園園児には自由に手話で会話ができる環境を整えて、園児たちがのびのび勉強ができ、今では園児たちが自ら考えて行動するようになっていると話されていました。このように、ろう者の子供たちがろう文化で育つ方が私も良いと思っています。今では先生の教え子は社会に出て、いろんな職業に就いて活躍されている人が増えているそうです。これから、戸田先生の「デフ・フット」が当たり前になる、そんなろう文化が発展することを祈るばかりです。

講演会に参加できて、また、人生の勉強になりました。ありがとうございました。